ラグビーワールドカップ!!

ラグビーワールドカップが終わってしまったー

私のマンションの部屋にはテレビがないのだけど、でも世の中に「うちのテレビ」だと思えるものはいっぱいあって、しかも今回は日本中お祭り騒ぎだったからそれがなおさら増えていて、今回のラグビーはたくさん、楽しく見ることができました。

 

まず、パブリックビューイング。

銀座のパブリックビューイングは屋内で入るのが大変だけど、外国人がたくさんいて面白い。日本戦でも、敵チームの応援が結構いたり、かと思えば、「Go Japan!!」ってナチュラルな英語で叫んでいる外人さんがいたり。
勝敗が決まった後にも、双方のサポーターが握手しあっていたりして。
国際交流の場のようで、スポーツは言語を超えたコミュニケーションなんだなーって、平和な気持ちになれた。

横浜のパブリックビューイングは屋外ですごく広い公園なんだけど、それでも入場規制がかかるくらい満員、やっと入ってもよく見えないくらい。
日本人や家族連れが多くて、大きな家族で一つのテレビを見ているようでこれも平和。
リーチ選手がボールを持ったときだけ、みんな一斉に「リーーーーー!!」って叫びだしたりとか、画面がよく見えてなくてもなんとなく状況がわかるのが面白い。

あと、スポーツバー。
試合が始まった後に行ったから、既に満席で店内には入れなかったのだけど、そこは1Fにあるガラス張りのお店で、外からガラス越しに見ているひとがたくさんいた。
そしてお店のほうも、それを追い払うのではなく歓迎するように、普段はしていないであろう、紙コップでのビールのテイクアウト販売に出てきていた。
結果、お店を囲むように人が集まって、その歓声にまた人が集まって、どんどん輪が広がっていくのがわかって嬉しかった。

テレビ付きのダイニングバーみたいなところで見たのもある。
これは唯一、座って会話しながらのんびり見れた。普通に食事に来ているお客さんも一部いて、がやがやしすぎないリラックスした雰囲気。これもこれであり。
お店の規模が小さかったから、前のほうで見ている熱心なお客さんの会話(解説)がちょっと聞こえたりもして。パブリックビューイングみたいにどこからともなくわーって声が上がるのとは違う楽しさだった。

 

こういう、外にあるテレビはぜーんぶ、うちのテレビです♡そう思ったほうが贅沢。みんなで盛り上がりたいのか、落ち着いて見たいのかなども、ちゃんと使い分けられます。家で一人で見るよりずっと楽しい。

ルールもよくわかっていない私には、専門用語が入ったテレビの解説より、周囲の盛り上がりのほうがずっとわかりやすい。
私の頭より上に肩があるような背の高い外人さんがたくさんの間で、画面を見るのが大変な場所もたしかにあったけど。それでも、試合の詳細が見えることより、空気の流れを感じられることのほうが面白いからいいと思っている。
けど、しっかり見たい人には厳しかったかもしれない。

 

その人混みで考えたこと。

前のほうにいるひとは、お金を出して有料席を取っていたり、朝早くから並んだり、その場所にいることのために前もって何かしらの対価を払っている。
そうやってその場所にいる権利を獲得しているし、本人もそのことを自覚しているから、対価を払っていない後ろの列の混雑なんて無関係に、涼しい顔して試合を見ていられる。

そのちょっと後ろ、前の人の頭の間から画面が見えるような場所の人は、対価ではなく、「念のため少し早めに来た」「探し回って見やすい隙間を見つけた」みたいな、ちょっとの労力と運の掛け合わせで、その場にいる。
対価を払わなくても充分に見れたからこれでよかったねーと、自分の立ち位置に満足している。

さらに後ろは押し合い圧し合い、試合中は潜って飛び跳ねてなんとか一目、画面を見ようとめちゃめちゃ頑張っている。
前のほうで涼しい顔をしているひとたちよりも、ぎゅうぎゅう詰めのなかで足がつりそうになりながらつま先立ちをしている自分のほうがずっと頑張っているように自覚して、不公平を唱えることもある。
でも実際は、自分よりはるか前にいるひとではなく、目の前にいるちょっと背の高い人のことばかりを問題視して、隣同士で潰しあっているだけのことが多い。

最前列のひとが無意識にちょっと首を傾ける。
その後ろのひとは、前の人が動いたことで画面が見える隙間が変わってしまうから、画面を見続けるためにちょっと立ち位置を変える。
その後ろの人もまたちょっと立ち位置を変える。
積もり積もって、一番後ろの、人の首と首のわずかな隙間からなんとか画面を見ていたひとは、画面が見えなくなる。隙間をふさいだ目の前の人を邪魔に思って、喧嘩が生まれたりする。

そもそもの始まりの、一番前でちょっと首を傾けた人は、後ろの喧嘩が自分の行動の余波によるものだなんて思いもせず、何事もなく観戦を続けている。

・・・なんだか、社会の縮図のようだなーって思うのは私だけでしょうか。

 

ところで、良いなと思ったのは、パブリックビューイングの立見席で、私の隣にいた小柄なおじさん。
ぎゅうぎゅう詰めの立見席の中にしっかり立ちながら、自分のスマホで中継を見ていた。
「だったら家で見ればいいじゃん!」って思う人もいると思うけど、そうじゃないんだよ。試合も見たいけど、あの場で盛り上がりの中にもいたいんだよ!!

こういう欲張りかた、ひめぐらしに通じるところがあると思った♡
最前列に並ぶだけの対価は払えなくても、「独り占めのスマホの画面でしっかり観戦」「楽しい盛り上がりの場にはしっかり参加」の両方を手に入れることってできるんだー!

生ハイネケンというレアなビールが飲めたのも嬉しかった。